ピラティスの基本動作とは?呼吸と姿勢と体幹エクササイズ

ピラティスの基本動作とは?呼吸と姿勢と体幹エクササイズ ピラティス

ピラティスは広く知られるエクササイズ方法となりましたが、具体的にどんなことをするのか?と言われると説明が難しいエクササイズでもあります。

ヨガには基本のポーズがありますが、ピラティスには基本ポーズのようなものはありません。

では、ピラティスの基本動作とはどんなものなのでしょうか?

また、ピラティスの基本的な呼吸方法や基本姿勢、体幹のエクササイズ方法なども紹介します。

 

ピラティスの基本動作とピラティスの呼吸

ピラティスの基本動作とピラティスの呼吸

ピラティスには「基本動作」とどんなインストラクターでも共通して呼べるような基本動作はありません。

基本動作っぽいものはありますが、インストラクターの講習で「ピラティスの基本動作はこれです」とどの団体でも共通して教わるようなものはありません。

ヨガには基本的なポーズがあるので、ピラティスにも同じようなものがあるのでは?と思われる方も多いかもしれませんが、実際にはありません。

 

こちらでは、ピラティスの基本動作っぽいものを紹介します。

 

ピラティスの基本動作①カールアップ

カールアップ

マットピラティスの腹筋を鍛えるエクササイズの基本的なスタートポジションがカールアップです。

仰向けで膝と股関節を90度にして、頭を上げます。

一見、手で頭を上げているように見えますが、手は添えているだけで手では支えていません。

腹筋の筋力で頭を上げているような状態です。

このポジションから身体をひねったり足を伸ばしたりして腹筋を鍛えます。

しかし、実際問題多くの方はこのカールアップをする、カールアップを保つことが既に難易度が高いというケースが多いです。

つまり、スタートポジションが取れないのでここからの応用は全部できないという状態です。

ここから地獄のグループレッスンがスタートするというのがピラティスで挫折するあるあるパターンです。

現実的には難しいので、その場合はマシンピラティスで難易度を下げて行うことがおすすめです。

 

ピラティスの基本動作②ロールアップ

ピラティスでは分節運動という背骨を1個ずつコントロールする動作があります。

ピラティスの専門用語では、アーティキュレーションと言います。

ロールアップの動作は、まさにこのアーティキュレーションの基本練習です。

背骨を頭側から1つずつ起こしていき、戻すときは腰側から1つずつ戻していきます。

背骨は積み木のような構造で、1つずつ動かすことができますが、腰痛や首こりの方はまとめて動きがちです。

上手く動かせない部分が、負担が強い場所ですのでそこを重点的にコントロールする練習をしていきます。

現実的には、先にストレッチや整体などで動きにくい部分を緩めてからやる方が効果的です。

 

ピラティスの呼吸

ピラティスの呼吸は、胸式呼吸とほぼイコールです。

団体によって指導が異なりますが、ピラティスでは呼吸が重要というのはどの団体でも共通だと思います。

個人的には、ピラティスの動作中に呼吸を意識して「吸ってー吐いてー」とやるのはあまりおすすめしませんが、ピラティスレッスンのよくある光景だと思います。

ピラティスの呼吸では、肋骨の動きを大きく引き出して呼吸をするのが一般的です。

呼吸は肺が自ら動いているのではなく、肋骨の動きを介して肺が動きます。

そして、肋骨を動かすのが呼吸に関わる肋骨についている筋肉です。

これらの筋肉の柔軟性を引き出すことで、呼吸が深くなります。

 

ピラティスの基本動作と基本姿勢

ピラティスの基本動作と基本姿勢

ピラティスの基本姿勢としてよく言われるのが、ニュートラルポジションです。

文字通り正しい姿勢です。

立った状態では、肩や耳くるぶしなどが横から見て一直線になるなどがよく言われる指標です。

個人的には、これを細かくチェックする意味があまりないと思っていますが、姿勢チェックのアプリなどでよく使われるのは、このような指標が正しい位置にあるかどうかを見ています。

このニュートラルポジションを保ちながらピラティスエクササイズをやりましょうというのが、よくあるピラティス指導です。

これも個人的にはあまりおすすめしません。

狙った筋肉が適切に働いた結果的に正しい姿勢にはなるというのが、理想の状態だと思いますので、今がんばっていい姿勢にするというよりは狙った筋肉が適切に働くように鍛えましょうという方が正しいピラティス指導だと思っています。

ただ、「もっとお腹を引き締めて、あごを引いて!」などと言いながらピラティス指導をするのがよくあるピラティススタジオの風景です。

 

インプリントポジション

ニュートラルポジション以外によくあるピラティスの姿勢が、インプリントです。

ニュートラルポジションでは、腰に手のひら1枚くらいの隙間ができます。

これは背骨が反っているので、その分隙間ができるというものです。

これに対して、インプリントではこの腰の隙間をつぶします。

腰の隙間をつぶすと、ニュートラルポジションではなくなりますが、腹筋に力を入れる場合はこのインプリントポジションの方が入ります。

腹筋を鍛える場合は、大体このインプリントポジションを保って行う場合が多いです。

どちらがいい姿勢か?という話ではなく、どちらも出来ないといけないというものです。

腹筋が弱い、反り腰の方ではこのインプリントポジションが苦手な場合がほとんどですので、まずはインプリントポジションで腹筋を鍛えましょうというケースが多いです。

特に痩せ型の女性の場合はほぼ全員このパターンと言ってもいいくらいです。

 

ピラティスの基本動作で体幹は強化できる?

ピラティスの基本動作で体幹は強化できる?

ピラティスは体幹の強化に適した運動です。

では、ピラティスの基本動作だけで体幹の強化ができるのでしょうか?

結論としては、先ほど紹介したピラティスの基本動作(カールアップやロールアップ)だけでも体幹の強化になります。

ただし、強度は低いので「元々体幹が弱い人には強化になる」という感じです。

元々かなり体幹が強い人にとっては、基本動作だけではあまり効果的な体幹トレーニングにはならないでしょう。

しかし、前述の通り多くの方はカールアップの体勢を保つことさえ困難なくらい体幹の筋力が弱っています。

その為、普段あまり運動をしていない女性ではほぼ全員体幹の強化になると言ってもいいと思います。

 

ピラティスの基本動作と体幹エクササイズ

ピラティスの基本動作と体幹エクササイズ

ピラティスの基本動作を発展させることで、様々な体幹のエクササイズになります。

先ほど紹介したカールアップのポジションはあくまでも開始姿勢です。

そこから様々なバリエーションを付けることで、効果的な体幹のエクササイズになります。

 

クリスクロス

クリスクロス

カールアップの体勢から、身体をひねります。

右肘と左膝、左肘と右膝と交互に当てながら腹筋を鍛えます。

特に腹斜筋という斜めの筋肉を鍛えることができるので、ウェストの引き締めや回旋動作の多いスポーツのパフォーマンス向上に効果的です。

 

ティーザ

ロールアップの動作に加えて、足を上げます。

上半身と足を同時に持ち上げてキープすることで、腹筋を上部から下部までしっかり鍛えることができます。

難易度は高いので、ピラティス初心者には難しいですがピラティスマシンのタワーを使うことで難易度を下げることができます。

 

ハンドレッド

マットピラティスでウォーミングアップでよく使われるエクササイズです。

ハンドレッドはカールアップの体勢から手を伸ばし、伸ばした手を小刻みに動かしながら呼吸を繰り返します。

ハンドレッドは文字通り100回やるエクササイズとしてこの名前が付いていますが、現実的にピラティス初心者がハンドレッドを100回やるのはウォーミングアップとしては難易度が高過ぎます。

そもそもカールアップの体勢ができない人が多いので、ハンドレッドはそれ以上の難易度になります。

 

ピラティスの基本動作のまとめ

ピラティスの基本動作について解説しました。

ピラティスの基本動作には、特定の「基本ポーズ」はなく、各インストラクターが教える内容は異なりますが、いくつかの代表的な動作があります。

例えば、カールアップは腹筋を鍛える基本的なスタートポジションで、腹筋を使って体を引き上げます。

ロールアップは背骨を1つずつコントロールして起こす練習で、アーティキュレーション(分節運動)が重要です。

また、ピラティスでは呼吸が重要で、胸式呼吸を使って肋骨を動かし、肺を効率的に動かします。

基本姿勢には、ニュートラルポジションとインプリントがあり、それぞれ腹筋を鍛える際に役立ちます。

ピラティスの動作を発展させることで、体幹強化や腹筋の強化に効果的なエクササイズを行えます。

 

ピラティス&コンディショニングスタジオhc-life東中野

この記事を書いた人
中谷圭太郎

ピラティス&コンディショニングスタジオhc-life代表トレーナー
ピラティスを中心とした運動指導、整体、栄養カウンセリングなどを用い、延べ7,000人以上の身体を変えてきたコンディショニングの専門家
指導歴15年、スタジオ運営8年目

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