パーソナルトレーニングでは、筋力や柔軟性を改善することで身体の不調を改善することが出来ます。
その中で、多くの人が悩まされている腰痛の改善効果も期待できます。
特に慢性腰痛に関しては、運動をすることでの改善が推奨されています。
パーソナルトレーニングで腰痛改善をする方法や流れをご紹介します。
目次
腰痛診療ガイドライン2019でも運動療法を推奨
パーソナルトレーニングでは、腰痛改善の為のトレーニングができます。
実際に、日本整形外科学会と日本腰痛学会の監修による『腰痛診療ガイドライン2019』(編集:日本整形外科学会診療ガイドライン委員会、腰痛診療ガイドライン策定委員会)でも、慢性腰痛に対して運動療法が強く推奨されています。
運動療法は慢性腰痛に対して強く推奨
運動療法については「急性腰痛」、「亜急性腰痛」、「慢性腰痛」のそれぞれについて評価され、そのうち「慢性腰痛」に対しては、「運動療法は有用である」として強く推奨(推奨度1、エビデンスの強さB)されている。それに対して、「急性腰痛」、「亜急性腰痛」に対してはエビデンスが不明であるとして推奨度は「なし」とされた。
7年ぶりに腰痛診療ガイドラインが改訂、そのポイントは?
慢性の腰痛に対しては、運動をすることで解消をすることが勧められています。
腰痛には様々な種類がありますので、その全てをパーソナルトレーニングで改善出来るわけではありません。
ぎっくり腰などの急性の腰痛に関しては、運動を控える方がベターとされています。
パーソナルトレーニングで改善可能な腰痛は、長時間の座り姿勢による腰への負担や、筋力不足・柔軟性不足・運動不足などが原因となっている慢性の腰痛です。
腰痛の方が病院でよく
「運動をしてください」
「ストレッチをしてください」
「腹筋と背筋を鍛えてください」
などとよく言われると思いますが、まさにそのような腰痛がパーソナルトレーニングで改善可能な腰痛です。
腰痛の原因とは?
パーソナルトレーニングで腰痛を改善するには、まずは腰痛の原因を特定しなければなりません。
ところが、腰痛の原因は85%が不明とも言われ、なかなかはっきりとは解明されていません。
だからこそ、多くの人が腰痛に悩まされているとも言えます。
ただ、原因不明で終わってしまったら改善できいませんので、腰痛の原因を推測します。
腰痛の原因を推測する方法は、大きく4つです。
①姿勢のチェック
②動きの癖のチェック
③筋力のチェック
④柔軟性のチェック
姿勢が崩れていると、必ずどこか特定の部位に過剰な負担がかかります。
その負担のかかる場所が腰であれば、腰痛になる可能性が高いと言えます。
その為、まずは腰に負担がかかるような姿勢なのかをチェックします。
動きの癖も同じく、腰に負担がかかるような動きをしていないかをチェックします。
前屈動作やしゃがみ込む動作、バンザイ動作などごく普通の動作であっても、腰痛の方は腰に負担がかかるような動き方をします。
ここまででおおよその推測は出来ますが、さらに細かく筋力や柔軟性をチェックします。
特にハムストリングス(もも裏の筋肉)の柔軟性低下、腸腰筋(お腹からもも前の筋肉)の柔軟性の低下は、腰痛に繋がっていることが多く見られます。
ここまでチェックをすると、
・どの筋肉が上手く働かなくてどのような動きができないか
・どこの筋肉が硬くてどの柔軟性が低下しているか
などの具体的なことが分かるようになります。
そうなれば、パーソナルトレーニングの方向性が決まります。
パーソナルトレーニングで腰痛を改善する方法
身体の柔軟性や筋力のチェックをすることで、腰痛の原因が分かれば対策は可能です。
弱い筋肉や硬い筋肉、苦手な動きなどが分かり、それが腰に負担をかけていることが分かれば、あとはその原因を取り除いていけば腰痛は改善します。
本当は複雑な工程ですが、分かりやすく簡単に言うと「弱い筋肉を鍛える」「硬い筋肉の柔軟性を上げる」の2つができれば腰への負担が軽減して腰痛改善が見込めます。
弱い筋肉を鍛えるには、トレーニングが必要です。
トレーニングと言っても、いわゆる筋トレのような重たいものを持ち上げるトレーニングは腰痛改善にはほとんど必要ありません。
筋肉を鍛えるというよりも、働いていない筋肉を呼び覚ますという表現の方が的確かもしれません。
人間には600個ほどの筋肉がありますが、それら全てが上手く協調して身体を動かします。
しかし、負担の姿勢や過去の怪我、運動不足などの要因で上手く働かなくなっている筋肉があります。
その上手く働かない筋肉をしっかり使えるように呼び覚ますトレーニングが、腰痛改善には必要です。
また、同じように固まって柔軟性が著しく低下している筋肉もあります。
その筋肉にはストレッチが効果的です。
現代人の生活では、特定の動きばかりで身体を大きく動かすことが少なく、どうしても柔軟性は低下しています。
開脚のように足を大きく広げることも、両手を高く挙げることも日常生活はないに等しいと思います。
そうなれば、その時に伸びる筋肉の柔軟性は必ず低下します。
その為、腰痛改善にはストレッチが必須と言えます。
腰痛改善の為のトレーニング
腰痛改善の為のトレーニング方法は、先ほどのチェックを元に行いますので一概に「このトレーニングが効果的」とは言えません。
しかし、多くの方に共通する効果的なトレーニングはあります。
まずは体幹のトレーニングは必要なことが多いです。
いわゆるコアトレーニング、体幹トレーニングです。
体幹の筋肉にも種類がたくさんありますが、腰痛の患者はコアの最深部である腹横筋の機能低下があると言われています。
これはよく行われる体幹トレーニングのプランクではなく、呼吸のトレーニングが必要です。
同様に、腹横筋と一緒に働く「多裂筋」「横隔膜」「骨盤底筋」のトレーニングも必要です。
腹横筋を含めたこの4つの筋肉を合わせてインナーユニットと呼びますが、インナーユニットのトレーニングには呼吸のトレーニングが必要です。
ヨガやピラティスでは呼吸法がありますが、これも腰痛改善に効果的なトレーニングです。
また、インナーユニットのさらに外側にある腹斜筋、腰方形筋などの筋肉もしっかり働くことで腰の負担がさらに軽減します。
腰痛改善の為のストレッチ
腰痛改善の為のストレッチも、トレーニングと同様に個人差がありますのでどのストレッチがいいとは一概に言えませんが、同じような傾向はあります。
まずは先ほども挙げたもも裏の筋肉(ハムストリングス)ともも前の筋肉(腸腰筋)が非常に硬い人が多いです。
ハムストリングスは主に男性に硬い人が多いですが、腸腰筋は男女問わず長時間座って仕事をしている人は大体かなり固まっています。
特に最近ではリモートワークの人も増え、今後ますます腸腰筋の硬さは多くの人が抱える問題になりそうです。
ぎっくり腰を起こす人も、この腸腰筋が非常に硬い人が多く、腸腰筋の硬さはぎっくり腰の原因にもなっていると思います。(ぎっくり腰のメカニズムはよく分からないところもありますので、あくまで個人的な推測です)
さらに、長時間座っている人はお尻の筋肉である大臀筋、深層外旋六筋なども硬いことが多く、これが原因で坐骨神経痛と診断される人も多いです。
実際には坐骨神経痛ではなく坐骨神経痛のような症状が出ているだけですが、長時間の座り仕事はこのような悪影響がありますので、ストレッチが欠かせません。
パーソナルトレーニングの腰痛改善まとめ
色々と腰痛改善についてご紹介しましたが、簡潔にまとめると次のような流れでパーソナルトレーニングでは腰痛を改善します。
①身体の状態のチェック
・姿勢チェック
・動きの癖のチェック
・柔軟性のチェック
・筋力のチェック
②柔軟性が低下している部分のストレッチ
③筋力が低下している部分のトレーニング
④動きの癖の改善トレーニング
このような流れで、腰に負担がかかっている原因を取り除けば、パーソナルトレーニングで腰痛改善ができます。
「腹筋と背筋を鍛えて」では不十分なことが分かると思います。
本当に腹筋を鍛えれば腰痛が改善するのか、あるいは背筋を鍛えれば腰痛が改善するのかは人によります。
誤った形で腹筋や背筋を鍛えようとして、逆に腰痛を悪化させるケースも非常に多いと思います。
まずはそのような悪化を防ぐ意味でも、一度パーソナルトレーナーのチェックを受けてみる方が安全で効果的な腰痛改善が出来ると思います。
姿勢改善のパーソナルトレーニングスタジオhc-life【東中野・落合】