パーソナルトレーニングで腰椎椎間板ヘルニアのリハビリ・筋トレ・ストレッチ方法

姿勢改善に特化したパーソナルトレーニング パーソナルトレーニング

腰痛を抱えている人は非常に多いですが、ただ腰が痛いだけではなくより深刻な症状になる人も増えています。

腰痛の症状で深刻なものとして、腰椎椎間板ヘルニアがあります。

腰椎椎間板ヘルニアは手術をして症状が緩和する人も多いですが、手術をするにしてもしないにしてもリハビリは必須です。

こちらでは、腰椎椎間板ヘルニアのリハビリをパーソナルトレーニングで行う方法を紹介します。

 

腰椎椎間板ヘルニアとは?

腰椎椎間板ヘルニアとは?

腰椎椎間板ヘルニアとは、腰痛の一種で非常に有名なものです。

しかし、厳密な仕組みなどはあまり知られていないことも多いです。

腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の1つである腰椎で起こります。

腰椎は5つありますが、腰椎と腰椎の間には椎間板というクッションがあります。

この椎間板が度重なるストレスや経年劣化で位置がずれてしまい、正常な位置から飛び出してしまうのが腰椎椎間板ヘルニアです。

ヘルニアとは、本来ある位置から逸脱した状態という意味です。

腰椎の間にある椎間板がヘルニア(逸脱している)ということです。

腰椎椎間板ヘルニアになると、飛び出した椎間板が背骨を通る神経を圧迫します。

この神経を圧迫して起こる症状が、腰椎椎間板ヘルニアの症状です。

具体的には、痛みや脚の痺れ、脚に力が入らないなどの症状が出ます。

なぜ腰の問題なのに脚に症状が出るのかというと、背骨を通っている神経が足に繋がっているからです。

直接足に異常がなくても、神経を損傷すると足に影響が出ます。

最初は脚の病気かと思ったら実は腰椎椎間板ヘルニアだったというケースも多いです。

打撲や骨折なら痛いですが、極論放っておけば治ります。(処置はした方がいいですが⋯)

しかし、腰椎椎間板ヘルニアは放っておいても傷が治るようなものではなく、飛び出た椎間板が神経を圧迫し続ければ症状が出続けます。

その為、あまりにも耐えがたい症状が続けば手術となるケースもあります。

飛び出た椎間板を切ってしまって神経を圧迫し無くなれば、今まで24時間悩まされていた症状が嘘のように消えるということも多いです。

しかし、椎間板が減っているので腰を痛めるリスクは高く、また手術をしても腰椎椎間板ヘルニアにまで至った腰へのストレスの原因は取り除かれていません。

つまり、手術をして終わりでは再発する可能性が高いということです。

そこで非常に重要なのが、腰椎椎間板ヘルニアのリハビリです。

 

腰椎椎間板ヘルニアのリハビリをするメリット

腰椎椎間板ヘルニアのリハビリをするメリットは、大きく2つです。

1つは腰椎椎間板ヘルニアの症状を緩和することです。

これは手術をしなかった場合のメリットと言えます。

症状がそこまで重くなく、手術を今するような状態ではないという場合にもリハビリをします。

痺れが出ているなら痺れが減ったり無くなったり、このようなことも期待できます。

ただし、リハビリをしても腰椎自体に変化が出る訳ではありません。

姿勢や動きが変わることで、腰椎へのストレスが軽減してその結果症状が緩和します。

2つ目は腰椎椎間板ヘルニアの再発を防ぐことです。

これは特に手術後に行うリハビリのことです。

手術をしても腰椎椎間板ヘルニアに至った原因は変わっていません。

ただ腰椎の椎間板が神経を圧迫しなくなっただけですので、再びヘルニアになる可能性が高いです。

姿勢や柔軟性、筋力や動き方が変わることで腰へのストレスが変わります。

腰へのストレスが減ることで、ヘルニアになるリスクが減ります。

つまり再発の予防になるということです。

症状を減らすという意味でも、再発を予防するという意味でもリハビリは必要です。

 

パーソナルトレーニングで腰椎椎間板ヘルニアのリハビリをする流れ

パーソナルトレーニングで腰椎椎間板ヘルニアのリハビリ

腰椎椎間板ヘルニアのリハビリをする流れは、主にこのようになります。

・カウンセリング

・姿勢の分析

・筋力、柔軟性の分析

・ストレッチ&トレーニング

基本的な流れは普通のパーソナルトレーニングと変わりません。

しかし、腰椎椎間板ヘルニアのリハビリとなると、特に最初のカウンセリング、姿勢分析、筋力、柔軟性の分析がより重要になりますので細かく行います。

 

カウンセリング

まず、腰椎椎間板ヘルニアになった経緯や手術をしたかどうか、医師の見解はどうだったのか?あればMRIなどの画像のデータなども踏まえて確認します。

そして、症状がどのように出るのか、いつ出るのかなどを確認します。

例えば、常に脚に痺れが出ているのか?それとも痺れのような自覚症状はないのかでは腰椎椎間板ヘルニアといっても症状としては全く違います。

特に私自身パーソナルトレーニングの現場でよく見るのが「痺れなどの症状は全くなく、レントゲンを撮ってヘルニアと言われた」というケースです。

基本的に、腰椎椎間板ヘルニアの診断はレントゲン検査ではなくMRI検査で行います。

MRIとなるとどの病院にもあるような設備ではありませんし、費用も掛かります。

レントゲン検査だけでヘルニアかどうかの診断はできず、「ヘルニアっぽいねもしかしたら」くらいのことしか分かりません。

このため、特に症状がなくMRI検査もしたことがなければ、それは腰椎椎間板ヘルニアではない可能性もあります。

正確な診断は病院でMRI検査を行うしかありませんので、場合によってはカウンセリングの時点でMRI検査をおすすめする場合もあります。

 

姿勢の分析

腰椎椎間板ヘルニアになるのは、腰椎に対して過度なストレスがかかり続けた結果起こることが多いです。

一発の衝撃で起こってしまう外傷性の腰椎椎間板ヘルニアもありますが、多くのヘルニアは慢性的なストレスによって引き起こされます。

慢性的に腰椎にストレスがかかっていた場合は、姿勢が悪いケースがほとんどです。

姿勢が悪い、柔軟性が低い、筋力が低下しているなどの原因があって腰椎椎間板ヘルニアになりますので、どのような姿勢の崩れがあるか、どのような柔軟性の低下があるのか、どのような筋力低下があるのかをしっかりとチェックしていく必要があります。

もし手術をして腰椎椎間板ヘルニアの症状が消えたとしても、姿勢や柔軟性、筋力がそのままでは腰椎にかかるストレスは変わりません。

その為、腰椎椎間板ヘルニアの再発の可能性が高いということです。

リハビリの目的は、この再発予防も大きな目的ですので、もう腰椎椎間板ヘルニアを再発させないように原因をしっかり特定する為に分析が必要です。

腰椎椎間板ヘルニアになりやすい姿勢としては、反り腰や逆に腰の反りが少なすぎるフラットバックという姿勢です。

どちらも股関節の柔軟性の低下や腹筋など体幹の筋力低下、背骨の柔軟性の低下などの様々な原因が複合して起こります。

 

筋力のチェック

腰椎椎間板ヘルニアになっている人の特徴としては、体幹の筋力が不足しているケースが多いです。

正確には筋力不足というよりも筋肉の機能低下です。

適切なタイミングで適切な筋肉が働かないので、その結果腰のストレスが増えるという感じです。

特に腰椎椎間板ヘルニアで重要な筋肉がお腹の中の筋肉です。

専門用語ではインナーユニットと呼ばれる筋肉です。

インナーユニットは筋肉の名前ではなく、複数の筋肉の総称です。

インナーユニットは腹横筋、多裂筋、骨盤底筋、横隔膜の4つの筋肉の総称です。

外から見える筋肉ではないので、ボディビルダーが鍛えてもコンテストでは目立たない筋肉ですので、あまり一般的に有名な筋肉ではないと思います。

しかし、腰痛のリハビリでは重要な筋肉です。

よく、腰痛の人は腹筋と背筋を鍛えましょうと言われますが、この時腹筋というとシックスパックに割れる腹筋をイメージされる方が多いです。

このシックスパックに割れる筋肉は腹直筋という筋肉ですが、この腹直筋は外側にある筋肉で、過剰に使うとむしろ腰痛を招きます。

その為、上体起こしのような腹筋を割るような筋トレではむしろ腰痛を悪化させる可能性があります。

実際に、腰痛の権威であるオーストラリアの博士はこの上体起こしをやらないように勧めています。

この腹直筋ではなく、インナーユニットを鍛えることで腰痛の緩和に繋がりますので、腰椎椎間板ヘルニアのリハビリでも必須のトレーニングと言えます。

インナーユニットを鍛えるトレーニングとしては、重たいダンベルを持つようなトレーニングではなく呼吸のトレーニングが中心です。

呼吸でしっかり息を吐ける、息を吸えるという状態がインナーユニットが働いている状態です。

インナーユニットは、呼吸の時にも働く筋肉なので呼吸のトレーニングが重要です。

ヨガやピラティスでは、この呼吸法を意識して動きますので、結果的にインナーユニットのトレーニングになります。

また、動きを伴うようなトレーニングよりも姿勢を維持するトレーニングで働きます。

プランクという有名な体幹トレーニングがありますが、正しい姿勢で行えばこれもインナーユニットのトレーニングにもなります。

プランクでは外側の筋肉や肩の筋肉なども使いますので、複合的なトレーニングとなります。

特に腰痛のトレーニングとしてよく行われるのが、デッドバグというトレーニングです。

デッドバグのやり方は、仰向けで寝て両手足を伸ばすような動きをします。

この手足の動きにつられて腰が反らないように体幹をキープする時に使うのが、インナーユニットの筋肉です。

このようなトレーニングが腰椎椎間板ヘルニアのリハビリには有効です。

腹筋と背筋を鍛えましょうで合ってはいますが、それが上体起こしや上体反らしなら逆効果になる可能性が高いです。

このようなトレーニングではなく、インナーユニットのトレーニングを行うことで腰痛の改善に繋がります。

トレーニングのやり方としては難しいですので、正確にやるにはパーソナルトレーニングがおすすめです。

 

柔軟性のチェック

腰椎椎間板ヘルニアになっている方の柔軟性は、偏った柔軟性をしていることが多いです。

特に硬いのはハムストリングスというもも裏の筋肉です。

そして、このハムストリングスだけではなく連動してふくらはぎや背中の筋肉も固まっているケースが多いです。

専門的にはこのふくらはぎやもも裏の筋肉は浅後線という筋膜の繋がりがあります。

足裏から背中を通って眉間まで繋がっている長い連携です。

この一連の繋がりが固まっているケースが、腰痛患者には多いと感じています。

この場合はいわゆる前屈動作ができないケースが多いのですが、実はなぜ出来てしまう⋯という方が腰椎椎間板ヘルニアの患者さんには多いです。

もも裏の筋肉が硬く、かつ前屈が可能という場合は腰の筋肉が過度に引き延ばされることになり腰にはかなりのストレスがかかります。

この場合は、同時に腸腰筋という身体の前にある大きな太い筋肉も硬くなっていることが多いです。

腸腰筋は長時間の座り姿勢が続くと硬くなりますので、現代人はほぼ全員硬いと言っても過言ではありません。

この浅後線(ふくらはぎ、もも裏、背中など)と腸腰筋の柔軟性がどれくらい低下しているかは、腰痛の改善には重要な指標になります。

逆に言えば、これらの筋肉の柔軟性が上がることで腰のストレスは減りますので腰椎椎間板ヘルニアの症状緩和や再発予防に繋がります。

 

パーソナルトレーニングで腰椎椎間板ヘルニアのリハビリをする方法まとめ

パーソナルトレーニングで腰椎椎間板ヘルニアのリハビリをする方法を紹介しました。

・カウンセリング

・姿勢分析

・筋力の分析

・柔軟性の分析

・ストレッチとトレーニング

このような流れでリハビリを進めていきます。

特に、どのような原因で腰椎椎間板ヘルニアになったのかの見極めが重要です。

これを抜かして筋力が不足しているからヘルニアになったと思い込んでマシンで筋トレをして悪化するというのはよくある悪いパターンです。

筋力が不足しているからなのか、不足しているならどこの筋力なのか?

左右差はあるのか?

姿勢は整っているのか?

柔軟性は足りているのか?

これらをしっかり見極めた上でリハビリを進めないと、逆効果になる可能性も大いにあります。

逆効果ということは、再発・再手術の可能性もあるということです。

このようなことにならないように、腰椎椎間板ヘルニアのリハビリでは事前にしっかりと分析をした上で行うことをおすすめします。

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